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解決事例

第4 解決事例(不動産)

1【不動産・明渡し】即時明渡しが難しい案件において,話合いで一定期間経過後に明け渡す旨の和解契約が成立した事例

相談前
飲食店経営目的で建物を賃貸借していましたが,店を経営していた賃借人が死亡しました。死亡直前から少し店を手伝っていた賃借人の子供が店を引き続き使いたいと主張していますが,駅前の好物件ですし,建物が老朽化していたため建て替えたいと思っています。

相談後
賃借人の子供との間での話合いが上手くいき,一定期間経過後に明け渡す旨の和解契約が成立しました。

弁護士からのコメント
明渡しを求める際に重要となるのは「正当事由」です。本件では,賃借人の子供が店を手伝っていた期間は半年間程度と短く,上手く行くかが分からない状況にあったため,その正当事由はかなり弱いものでした。他方で,本件建物には,他にも賃借人がおり,本件賃借人の明渡しだけ完了しても,すぐには建物の建て替えができないという状況にありました。そこで,両者の利害を調整した落とし所を示して当事者間で交渉するようアドバイスしたところ,無事交渉が纏まったという事例です。交渉成立後は,後の紛争を睨んで,合意内容を契約書の形にまとめました。予め契約書を作成しておいたため,交渉成立とほぼ同時に契約書を渡すことができました。

2【企業法務・不動産】法務局に筆界特定の申立てをして,会社主張が認められた事例

相談前
会社所有の土地上にホテルを建築し賃貸する予定でした。境界線を明確に示した地図があるのですが,当社主張の境界線に納得しない相手が2人いたためにホテルの建築が進められず,困っていました。

相談後
法務局に筆界特定の申立てをして,当社の主張が認められた結果,ホテルの建築に着手できました。

弁護士からのコメント
従前は,筆界を確定するためには,裁判所に境界確認訴訟を提起するしかなく,用意すべき資料も時間も大変にかかりました。今は,不動産登記法の改正により,筆界特定制度が設けられ,地図等の必要書類を揃えて法務局に申し立てれば,法務局のノウハウを利用して迅速に筆界問題を解決できます。本件は筆界が明確に示された地図等があったため,迅速に解決できたという事例です。