方位磁針は持ち歩いていませんが,地形と目標物と太陽で,方角と地図上の現在位置を把握するようにしています。遠方に見える山は方角を掴む重要な目標になります。川,学校や神社等も,現在位置を把握するうえで重要な目標になります。神社や寺には大きな木があり,遠くからでも分かることが多いです。江戸時代には,現在のような地図がなく,神社や寺の大きな木が目標になったと何かの本で読みましたが,現在でも十分な目標になります。道標があれば,それに従えば,ほぼ間違いなく行けますが,道標がないところも相当にあり,自分で判断しなければなりません。
太陽で方角を知る方法としては,時計の短針を太陽に向けて,12時との真ん中が南となるということを知っておくとよいでしょう(太陽が出ているときにしか使えませんが)。例えば,午後2時のときは,南から30度西側に太陽がありますが(360度を24時間で回るから1時間に15度動きます),時計だと南から60度西側に短針の位置がある(時計は360度を12時間で回るので,1時間に30度動きます)というのが,その理屈です。正確にいえば,12時に太陽が南にあるとは限らないのですが,そこまで正確に押さえる必要はないわけです。
知らない場所に行くときには,日没までに,少なくとも駅につくように動いています。太陽が沈むと,太陽で方角を知ることもできず,遠くの地形も見えませんので,判断力が鈍り,心理的な不安を増すからです。
文章:川﨑直人